【超訳種の起源】ダーウィンが「進化」を使わない理由が優しすぎた

今回は自然選択説で有名なチャールズ・ダーウィン著「種の起源」を読みやすくまとめた「超訳種の起源」(訳:夏目大)を読み,教員の立場で私が感じたことをご紹介したいと思います。

ダーウィンの優しさに包まれる

理科教員をしているのでこの本は読んでおこうと思っておりましたが,今回手にする機会があったので読んでみました。読んでみるとダーウィンの優しさを感じることになりました。

ダーウィンは種の起源の中で「進化」という言葉を使っておらず,「変化」という言葉を使用しています。この意図としては

進化が「下等な生物から高等な生物になる意味を含んでいる」からです。

ダーウィンは争いを好まない性格でしたが,すべての生物を平等に扱うことで自分がこれから発表する「種の起源」で差別や争いが生まれにくくなるように気遣ったのではないでしょうか。なにしろダーウィンが発表した説により,これまで人間は「神が創造したものである」等の説が強く信じられていたので、いきなり「人間はもともと猿のような生き物から変化したものだ」ということを示すことになるので大変危険だったのです。下手すればダーウィンの命も危なそうですね…

自然選択説

ダーウィンはビーグル号で世界一周の旅へ行き,様々な動植物を目の当たりにし,標本をつくり母国に送っていました。(後述しますが、このことは、今考えるとんでもないことなんです!)

実際に生物の関係性などを発見するのは,帰国してからのことです。

ダーウィンは帰国後に多くの標本を観察する中で,生物が環境に適応するために変化しているのではないか…ということに気づきます。しかし、なぜ都合よく生物に変化が起こるのかは謎のままでした。

その時にマルサスの「人口論」とダーウィンは出会います。マルサスはイングランドのサリー州ウットン出身の経済学者です。

著書の中でマルサスは以下のように述べました

「人間は競争に勝てば生き残り、勝つのは競争上有利になるような長所を持つ人である」

ダーウィンはこれは人間よりも自然界の生物にこそ人当てはまるのではないかと考えた。人間には叡智があるため競争を避けようと工夫をすることができるが、動物はしないからである。

ダーウィンはこの原理を「自然選択説」と呼んだのです。

ダーウィンが伝えたかった事

ダーウィンが種の起源で伝えたかったことは

1)現存するすべての生物は、はるかな過去に誕生した1種類の生物の子孫であること。

2)その1種類の生物が長い時間をかけて様々に変化することで、今日のような多種多様な生物が生まれたこと。

3)生物は自然選択の作用によって変化すること。

です。現在の技術の発展により多くのことが明らかになってきましたが、ダーウィンが種の起源で述べていることを裏付けることが多いのです。例えば3)に関しては遺伝子の突然変異が大きく関わっていることがわかっています。

また、ゲノム解析が進むにあたり、遺伝子は「資源」という考え方が広まりました。遺伝子さえあれば、特定能力をもつのタンパク質(例:血糖値を下げるインシュリン)を人間ではなく大腸菌のDNAに組み込むことで大量に生産でき、販売しビジネスをすることができます。なので、現在では海外に行った際に植物を無断で採取することは禁止されています。(公園等で採取が禁止されている理由の一つもそれでしょう。)

今回本著を読んだことで、ダーウィンの優しさに触れることができました。また改めて本を読むことで新しい知識を得ることができるのだと思いました。

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