児童相談所の案件は担任をやっていると数年に一度は関わる案件です。私は初任者の時に児童虐待の生徒の担任になり、大きな経験をすることができました。その際に参考にした書籍、大久保真紀 著「ルポ児童相談所」から得た知見と私の経験を共有させていただきます。
見逃すな!虐待された生徒が取る「試し行動」
虐待されている生徒は学校の教員に対して「試し行動」を強くとる傾向にあります。試し行動とは、「こんな自分でも認めてくれるのか」という心理から来る反抗的な態度や自虐的な態度を指します。例えば、「見つかるようにカンニングする」「授業中に強く机をたたく」「あからさまに不機嫌な態度を表に表す」などが挙げられます。他の教員から授業中の態度が悪いなどの報告があった場合は、注意深く観察する必要があります。
思わず表面のみを切り取り「なんだこの生徒は」と思いがちですが、このような「試し行動」の背景には家庭環境の問題が関わっている場合が非常に多いです。その事実を知っているだけで、生徒の行動を俯瞰してみることができます。この能力は教員にとって不可欠なものです。
個人で動くなチームで動け!
児童相談所に繋がる案件の場合は,絶対に個人で話を進めてはいけません。まずは学年主任に相談し、学校の対応マニュアルに沿って動きましょう。ここで個人で動いてしまうとさらに大きなトラブルに発展しかねません。管理職も入れたチームで学校として動く必要があります。マニュアルが学校の場合は、必ず管理職にお願いして今後同様の事態があった時のためにもマニュアルを作成するようにお願いをしておきましょう。(ここは担任の管轄外なので、手を出さないほうが良いと思います。)
虐待の有無は教員が判断するものではない
虐待の有無はあくまで、児童相談所が「学校」「本人」「保護者」のヒアリングをし、判断するものです。その後学校に通告書が届き判断が決定されます。そのため学校は、「虐待の可能性」がある場合は通告する義務があります。その場合は保護者との関係性などは一切気にしないことです。今後の保護者との関係性が崩れるから・・・と静観していると取り返しのつかない事態に発展してしまうかもしれません。
命を守ることが最優先です。また、保護者へのヒアリングは虐待の確証がある場合は、迅速に対応するため省略されるケースもあります。
教員は最低限の知識は持っておく必要がある
いざという時のために教員は最低限の知識は持っておく必要があります。以下の厚生労働省のページは一読しておきましょう。また今回参考文献として挙げた「ルポ児童相談所」は様々なケースが載っていて参考になります。ぜひご一読を。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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